それが今回彼女のライブから受けた印象。
箱が変われば印象もずいぶん変わる。
今までのどこか退廃的匂いは、満月の夜が流した涙とともに、潮風に乗り、遠い異国へと消えてしまったかに感じた。
普段彼女のライブでは、打楽器はあまり登場しないのだが、満月の夜の異国の風は、新たな息吹を運んで来た。
それはあたかも、ステンドグラスから差し込む光が一つに溶け込んで、黄砂の霞の向こうに見えた大陸の蜃気楼の如く空間を包み込んだ。
墨之江ユキの歌声は、まだ見ぬ異国の地から海を渡り行く蝶の羽音のように、私の元へ運ばれて来た。
レトログレスエスニック
彼女のライブは、海を越境し行く蝶のように、これからも見果てぬ涯てへと飛んでゆくのであろう。
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