2010年3月21日日曜日

ハロルド・ピンター

※写真と本文は関係ありません。

ハロルド・ピンターというノーベル賞作家の作品を実は私は映画の作品でしか知らない。
おそらく多くの人がそうではなかろうか。
有名なところでは『さらばベルリンの灯』最近のものでは『SLEUTH』など。
ピンターの舞台作品を下北沢で初めて観た。
まず長台詞がほとんどないところで、会話劇特有のリズム感が出て来る。しかしながら軽妙なのではなくその言葉一つ一つに含みがあり、全編を通して見飽きる事がない。
これは演出の力なのかもしれないが、作品はリズミカルにそして奥行きを持って進んで行った。
象徴的だったのが、二話あるうちのその両方共が、客席側のドアから舞台をクロスするよに役者の出入りを計算していた事だった。
これは男女の関係というものと、物語の入り組みを上手く舞台上に取り入れていたと思った。
ピンターの作品は映画でもそうだが、物語に奥行きがある。
その先にあるものを予見させつつ見る者の想像力に委ねる力がある。
この今日観た舞台もまさしくそのピンターの力を感じた。
ただ、それを演じるには力量不足と感じる役者がいたのは残念だった。

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