野火明監督の40代の作品はなかった。
既に50代に入ってからの突然の新作発表。
衝撃的だった。
今迄の匂いを残しつつもスタイリッシュなイメージを伴い、『シークレットワルツ』を遥かに凌ぐ作品であった。
これは何なのかと、私は考えた。
気づいたのは音楽だった。
これ迄の作品は、背景にクラッシック音楽があった。
今回の作品は、明らかに質感が違う。
映画は音楽で本当に変わる。
これは、自分が編集というものに携わってみて実感している。
音楽は、Dub-master X氏が担当した。
私には、Dub-master Xの音楽と映像のコラボがもたらした美しい音映残像が視覚と聴覚に刻まれて行くかのように感じられた。
そして、俳優陣の抑えられた演技が残像の中に散りばめられ、上質な記憶として残る。
野火明、14年振りの新作。インディーズのカリスマは健在だった。
詩人 近藤善揮
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